2013年発行「ふでばこ」

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ふでばこ28号 特集「有田焼」 (2013年11月25日発行)

目次
  • ・ 特集「有田焼」
  •   「歴史を象徴する窯元を訪ねて」 柿右衛門窯、今右衛門窯、井上萬二窯、青木龍山・清高工房
  •   「有田磁器の様式と美」 執筆・佐賀県立九州陶磁文化館 家田淳一
  •   「歴史を築き上げた先人たち」 執筆・有田町歴史資料館館長 尾﨑葉子
  •   「有田磁器の真髄 柴田夫妻コレクション」 執筆・佐賀県立九州陶磁文化館館長 鈴田由紀夫
  •   「柴田夫妻コレクションにみる江戸の食文化」 監修・民俗学者 神崎宣武
  •   「有田焼を支える原料」 泉山陶石と天草陶石、呉須、赤の上絵具がつくられるまで
  •   「佐賀県立有田窯業大学校と窯業技術センター」
  •   「これからの有田焼」 岩尾磁器工業(水・空気・エネルギー分野への利用)、李荘窯業所(世界のシェフに愛される器づくり)
  • ・ 南ドイツへの旅 ファンタスティック街道をゆく
  •   西はフランス、南はスイスと接するドイツ南西部のバーデン・ヴュルテンベルク州は、自然豊かな美食の地として、またメルセデス・ベンツに代表されるドイツのモノづくりのメッカとして知られています。同州の古都を結ぶファンタスティック街道を中心に、その魅力をお伝えします。
  • ・ ふでばこアーカイブス「肥前びーどろ」
  •   過去の特集記事を再編集+増補して英訳。世界に発信する保存版です。今回は、有田焼と同じ佐賀の「肥前びーどろ」。幕末、鍋島藩が大砲や蒸気機関研究のために設けた科学研究施設・精煉方の技術を受け継ぐ工芸ガラスです。

私たちの暮らしに深く浸透している磁器が、国内初の産地である有田でつくられるようになって約400年が経ちます。今や100円ショップにも数多く並んでいますが、昔は金にも匹敵する貴重品でした。よいものを少しでも早くたくさんつくれるよう、生産方法に工夫を重ねてきた結果、庶民の手にも届くようになったのです。来る日も来る日も土をこね、ろくろを回し、絵を描いたのは大勢の無名の陶工たち。彼らは「作品」ではなく市場の注文に応じた「製品」をつくったのであり、その意味で有田焼はれっきとした「工業製品」で、有田の町は「工業都市」としての仕組みを発展させてきたのだといえます。

いま有田には、江戸時代からの技術と様式を守る窯元も、最先端のニューセラミックをつくる会社もあって、それぞれに素晴らしい仕事をしています。2016年に「創業400年祭」を予定している佐賀県と有田町では、有田焼の歴史をあらためて掘りおこし、魅力を発信するプロジェクトを始動。この機会にぜひ有田焼に触れ、日本のものづくりの在り方に想いをいたすことができたら、という願いをこめた特集です。

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ふでばこ28号 特集「有田焼」

価格:1,800円+税

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ふでばこ27号 特集「砂糖」 (2013年5月25日発行)

目次
  • ・ 特集「砂糖」
  •   「長崎街道が伝えた砂糖の文化」
  •   「砂糖はいかにして近代社会を動かしたか」 執筆・川北稔 佛教大学教授
  •   「砂糖のできるまで」
  •   「日本の美として」
  •   「近代の砂糖 これからの砂糖」
  •   「砂糖の種類・健康Q&A・調理特性と上手な使い方」
  • ・ 飴細工を見たことありますか?
  •   『あめ細工 吉原』がつくる かわいい 美味しい飴細工  文・佐野由佳 写真・多々良栄里
  • ・ 和菓子からWAGASHIへ  とらやパリ店の想い
  •   羊羹で知られる老舗菓子舗・とらやがフランスのパリへ出店して30余年。和菓子の美味しさを世界に発信しつつ、その本質を見つめ直す日々をお伝えします。
  • ・ ふでばこアーカイブス「箸・市原平兵衞商店」
  •   過去の特集記事を再編集+増補して英訳。世界に発信する保存版です。今回は、日本の繊細な料理を支えてきた箸について、京都の専門店・市原平兵衞商店さんにうかがいました。

シュガーロードという言葉を聞いたことがおありでしょうか。それは、江戸時代に出島のある長崎と北九州の小倉を結んで整備された、長崎街道の異名。その道沿いに、南蛮人や唐人から伝えられた菓子など、独特の「砂糖の文化」が今も色濃く残っていることから名付けられました。街道を行ったのは砂糖ばかりではありません。出島からはさまざまな異国の産物、そして情報も市中に出回り、鎖国下とはいえ、九州の諸藩はそれなりに国際情勢をキャッチしていたといいます。そもそも南蛮人が日本へ漂着したのも、大航海時代、ヨーロッパ各国が世界中に土地を求めて旅をしたことによります。南蛮菓子の美味は、奴隷によるプランテーション農業をはじめとする、世界史の大きなうねりが押し寄せた結果でもあったのでした。

砂糖の輸入量は年間1500~3000トン近くにも上ったようで、その対価となる大量の銀や銅の流出が幕府を悩ませます。こりゃたまらん、というわけで、八代将軍吉宗公が音頭をとり、国産の砂糖づくりが始動。本草学者がサトウキビの栽培や精糖技術を研究し、選ばれた名主が各地を回っての指導を受け持つという、今でいう「産官学」が共同しての一大プロジェクトが実施されました。今は、サトウキビ畑といえば沖縄と奄美諸島に集中していますが、当時は大坂や静岡など各地で見られたとのこと。中世までは途方もない贅沢品だった砂糖も、そうした殖産興業の成果で、庶民の口にも入るようになった、というわけです。 一つのモノを通じて、各時代の食習慣や政治・経済も知ることができる―――砂糖はそれをかなえてくれる、すぐれたサンプルでもありました。

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ふでばこ27号 特集「砂糖」

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ふでばこ特別号「加賀ノ國 九谷焼」 (2013年1月16日発行)

目次
  • ・ 九谷焼の歴史と様式
  •   吉田屋九谷の魅力と受け継がれる青手の系譜
  •   文・石川県九谷焼美術館副館長 中矢進一
  • ・ 九谷で出逢った美の巨人たち
  •   初代須田菁華×北大路魯山人  北出塔次郎×富本憲吉
  • ・ 九谷焼の「陶石」「窯」とは
  •   和絵具のこと 呉須のこと
  • ・ 陶石から色絵磁器が生まれるまで
  • ・ 現代作家 創作の現場
  •   福島武山・浅蔵五十吉・山本長左・山本篤・河島洋・宮本直樹・福永幾夫
  • ・ 飛翔する若手たち
  •   見附正康・北出太郎・苧野直樹・山本秀平・道場八重・池島直人・山本大輔・山本高寛
  • ・ 対談 加賀の食と工芸「九谷焼に料理を盛る」
  •   料理人・道場六三郎 × 加賀市長・寺前秀一
  • ・ 加賀國大聖寺藩古式猟法「坂網猟」
  • ・ 出で湯と美食 工芸の玉手箱「加賀を旅する」

九谷焼が誕生したのは、石川県加賀市です。加賀市には山中・山代・片山津の加賀温泉郷があり、昔から多くの観光客を集めてきました。松尾芭蕉や与謝野晶子といった文人も訪れては、この地への愛着をあらわした句や歌を残しています。今は「温泉街」という言葉に独特のイメージがありますが、古くは温泉地といえば知識人が集まって交流し、文化を花開かせる場でもあったのです。

今回のテーマである九谷焼もまさに、文化サロンで育まれた側面があります。さらには、そうした九谷に触発される芸術家も数多く生み出しました。たとえば北大路魯山人。あの希代の芸術家が初めて陶芸に触れたのは、加賀の山代温泉に逗留中のことでした。旅館の主人らが開く茶会に招かれた魯山人は、自作の器に手製の料理を盛りつける粋人の姿に憧れ、自分も陶芸をしたいと切望。そして趣味人としても知られた名工・須田菁華の手ほどきを受けます。窯場に入る許しを得るために、魯山人は菁華のために看板を彫り、その熱意と美的な素質を認めてもらったのだといいます。のちに美食と器とで名を馳せた魯山人をも圧倒したのが、山代の風流であり加賀の美味であり九谷焼だったんですね。

いま加賀温泉郷は、そうした文化と歴史を物語る街へと変貌を遂げています。総湯とよばれる共同浴場も、九谷焼や山中塗を用いた復古調の建物もあれば、超モダンなガラス張もあったりで、眺めるだけでもワクワクする施設に生まれ変わりました。ズワイガニをはじめとする日本海の幸、加賀の伝統食材である鴨などの山海の美味、それらを盛り付けた九谷焼の佳器を愛でる愉しさも、いっそうの彩りをもって来る人を迎えています。今回のふでばこでは、この温泉と美食と工芸が一体となった文化を体験していただければと、観光情報にも力を入れました。ぜひこの特別号で九谷焼の魅力に多角的に触れ、五感をフルにして「体感」していただければと思います。

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ふでばこ特別号「加賀ノ國 九谷焼」

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